断捨離、断捨離と言われて久しいが、
それでもやはり、捨てられないものがある。
高校1年のときに、
授業中に回ってきた手紙だ。
先生が前を向いた瞬間に、
隣の人に渡す。
それを受け取った人が、
また同じことをする。
無事に届けられた手紙を相手が読む。
その返事を書く。そして、また
上記の一連の流れを繰り返す。
そんな、今となっては信じられないほどの
行程を経て届けられる手紙が、
今だからこそ愛おしい。
たまに読んだりするのだが、
その一瞬だけでも、あの頃に
タイムスリップできる。
ものを捨てる基準として、
「思い出は、心の中にあればいい」と
思えるようになると処分するのだが、
授業中に回ってきた手紙は、
まだそうは思えない。
そういうものが、ひとつやふたつ
あってもいいではないか。
KT Jackson